研究プロジェクト

研究室のプロジェクトの一部は、広島大学の有望プロジェクトとして紹介されています。


膝痛に対する効果的な運動療法(エクササイズ)の開発

主に膝痛のある人々に対して運動療法(エクササイズ)を行い、効果や効果が期待できない人の特徴を調べています。その成果を科学的根拠に基づいた実践(Evidence-Based Practice)に役立てます。

  • 歩容修正が膝痛緩和に及ぼす効果とそのエビデンスレベルを評価しました(Tamura et al., in press)。
  • 集団を対象にした教育が50歳以上の者の膝痛に及ぼす効果を検討しました(Hamada et al., 2022)。
  • 非接触、非対面の介入が高齢者の膝痛および身体活動に及ぼす効果を検討しました(Hirohama et al., 2022)。
  • 保存療法によって膝の痛みが緩和する変形性膝関節症罹患者を予測するモデルを開発しました(Tanaka et al., 2019)。
  • 変形性膝関節症を有した人々の破局的思考と痛みの強さの関係に筋力低下や活動制限が介在するかどうか検証しました(Tanaka et al., in 2018)。
  • 変形性膝関節症を有した人々の痛みの強さや質と関係している心理的要因について調べました(Tanaka et al., 2016Tanaka et al., 2018)。
  • 変形性膝関節症による痛みに対する運動療法や徒手療法の効果を明らかにしました(Tanaka et al., 2013Tanaka et al., 2014田中 他, 2014Tanaka et al., 2018)。

キーワード システマティックレビュー ランダム化比較試験(RCT) 筋力増強運動 有酸素運動 ストレッチング マッサージ スポーツ 慢性痛 破局的思考 自己効力感 うつ 恐怖 不安 行動 心理社会モデル 徒手療法 感作 圧痛閾値



マーカーレスモーションキャプチャを使った高齢者の健康的な歩き方

高齢者の歩行や立ち上がりなどの動作の分析から運動機能の低下を推定したりし、将来の膝痛、ロコモ、転倒などを予測する研究を行っています。そのために必要な研究として、マーカーレスモーションキャプチャの精度を調べています。

  • 高齢者の歩行の基準値を推定しました(Jung et al., in press)。
  • 年齢や性別が高齢者の歩行時の時空間パラメタおよびキネマティクスに及ぼす影響を検討しました(Tanaka et al., 2022)。
  • 歩行中の下肢関節角度を測定した値の信頼性を検証しましたTamura et al., 2020)。
  • 立ち上がり動作時の重心の速度や加速度の妥当性を検証しました(Tanaka et al., 2019)。
  • Functional Reach Testで観察される運動戦略の分類精度を検証しました(Tanaka et al., 2019)。
  • 歩行中の下肢関節角度や重心を測定してその妥当性を検証しましたTanaka et al., 2018; Tanaka et al., 2018)。

キーワード 動作分析 歩行 立ち上がり 立位 関節運動 重心 信頼性 妥当性 機能障害 スクリーニング 人工知能(AI) ウォーキング



運動器疾患のリハビリテーション

変形性膝関節症、骨粗鬆症、大腿骨頸部骨折など、運動器疾患による運動機能の障害およびADL低下の予防を目的とした研究を行っています。

  • TKA3ヵ月後の慢性術後疼痛 (chronic post‒surgical pain: CPSP)に関する臨床的に意味のある最小変化量(MCID)を検討しました(Nishimoto et al., in press)。
  • エクササイズと心理的介入がTKA後の心理的要因に及ぼす効果を検討しました(Nishimoto et al., in press)。
  • 痛みの情動的側面と痛みの場所との関連を検討しました(Hamada et al., 2023)。
  • ポールを使った歩行トレーニングが歩行能力に及ぼす効果を検討しました(Ono et al., 2022)。
  • TKA直後に集中して行う機能的リハビリテーションがADLの回復に及ぼす効果を検証しました(Tanaka et al., 2019)。
  • 変形性膝関節症を有した人々の機能障害や生活の質の改善に運動療法が及ぼす効果を検証しました(Tanaka et al., 2013; Tanaka et al., 2015; Tanaka et al., 2016)。
  • 骨粗鬆症を患った人々の骨密度や運動機能に及ぼす運動療法の効果を検証しました(Tanaka et al., 2012; Tanaka et al., 2013)。

キーワード 変形性膝関節症 骨粗鬆症 大腿骨頸部骨折 腰痛 肩こり 頚部痛 筋力低下 関節可動域域制限 バラン機能低下 歩行能力低下 ADL低下



臨床予測ルールClinical Prediction Ruleの作成

臨床現場で得られる情報から、診断(スクリーニング)、予後、治療の反応性を精度よく予測するための要因を特定し、予測モデルを作成しています。根拠に基づいた評価に役立つことを目指しています。

  • TKA後の慢性術後疼痛 (chronic post‒surgical pain: CPSP)を予測するCPRを作成しました(Nishimoto et al., in press)。
  • 胸髄損傷後のADLの自立困難を予測するCPRを作成しました(Imura et al., 2023)。
  • 脳卒中患者の退院時の歩行自立を予測するCPRを作成しました(Inoue et al., 2022)。
  • 脳卒中患者の上肢運動機能障害に対して上肢ロボットを使って得られる臨床的に意味のある効果を予測するCPRを作成しました(Iwamoto et al., 2022)。
  • 頸髄損傷患者の自立を予測するCPRを作成しました(Hori et al, 2021)。
  • 回復期リハ病棟に入院する脳卒中患者の在宅復帰を予測するモデルを作成、比較しました(Imurra et al, 2021)。
  • 脳卒中患者が車椅子で在宅復帰するために重要となる環境因子を特定しました(Imura et al., 2021)。
  • 脳卒中患者が在宅復帰するために重要となる機能的要因や環境因子を特定しました(Imura  et al., 2021)。
  • 回復期リハ病棟に入院する脳卒中患者のトイレ動作自立を予測するモデルを作成しました(Imura et al., 2021)。
  • TKA後のQOLの回復遅延を予測するCPRを作成しました(Tanaka et al., 2021)。
  • TKA後の関節可動域の早期回復を予測するCPRを作成しました(Amano et al., 2021)。
  • 入院中の脳卒中患者のADL自立を予測するモデルを作成しました(Iwamoto et al., 2020)。
  • 大腿骨近位部骨折後のADL低下を予測するCPRを作成しました(Tanaka et al., 2016)。    

キーワード 機械学習 診断 スクリーニング 予後予測 治療反応性 歩行 転倒 ADL  回復 自立



ロコモ、フレイル、サルコペニアの評価や予防

高齢になっても自立した生活を営める社会が求められています。ロコモ、フレイル、サルコペニア、ADL低下の予測や予防に関する研究を行っています。

  • プレサルコペニア、ダイナぺニア、サルコペニアとロコモとの関連を検討しました(Jung et al., 2023)。
  • 体力測定の値からロコモを判別するCPRを作成しました(Tanaka et al., 2022
  • 女性高齢者の体脂肪率とロコモの有無との関連を明らかにし、カットオフ値の精度を検討しました(Jung et al., 2022)。
  • ダイナペニア高齢者やサルコペニア高齢者の体組成を調べ、四肢の筋量および脂肪量の特徴を明らかにしました(Jung et al., 2022)
  • 男性高齢者の体脂肪率とフレイルの関連を明らかにして、フレイルを推定するための体脂肪率のカットオフ値を算出、評価しました(Tanaka et al., 2022)
  • 高齢者の下肢の筋力低下や可動域制限が、機能的制限を介して移動関連ADLの低下に及ぼす影響を実証しました(Jung et al., 2021)。
  • 高齢者の移動関連ADLの低下は、健康関連QOLの低下をもたらすという関係性を実証しました(Jung et al., 2021)。
  • 高齢者の下肢の関節可動域と転倒の関連性を調べました(Jung et al., 2020)。
  • 複数の運動要素を取り込んだエクササイズプログラムが高齢者の身体機能に及ぼす効果を検証しました(Jung et al., 2020)。

キーワード 高齢者 介護 日常生活活動(ADL) 生活の質(QOL) 予後予測 フレイル ロコモティブシンドローム サルコペニア 運動 筋力トレーニング スポーツ



徒手的な運動機能検査の精度検証

レントゲンやMRIを使った画像診断のスクリーニングとして、徒手的な検査がどれくらい信頼かつ妥当か調べています。

  • 膝前十字靭帯損傷に関する所見や症状の診断精度を調べました(Tanaka et al., 2022)。
  • 膝蓋大腿関節症に関する所見や症状の診断精度を調べました(Tanaka et al., 2022)。

キーワード 運動器 機能障害 構造障害 感度 特異度 尤度比 臨床推論